FXに限らず株や商品などの売りと買いのタイミングは、「安く買って高く売る」(又は、「高く売って安く買い戻す」)が基本です。

「安い時」「高い時」の判断は、値動きの推移をグラフにした「チャート」を利用します。チャートは、幅広い分析が可能で、売買の判断に利用できます。

チャートから買い時と売り時の判断をする

チャートから売買タイミングの判断を分析することを「テクニカル分析」と言います。

FXのチャートは、様々なテクニカル分析の方法がありますが、世界中のトレーダーで一般的に使われているテクニカル分析は下記の5種類(移動平均線・ボリンジャーバンド・エンベロープ・MACD・RSI)です。

尚、テクニカル分析で指標を表示するプログラムは、インジケーター(インディケータ)と言われています。

これからご紹介する5種類もインジケーターです。

移動平均線(Moving Average)

移動平均線とは、ある一定期間の為替レートの平均値を線(グラフ)にし、相場の方向性などから売買を判断する指標です。

相場の方向性を判断する

  • 移動平均線が上昇: 上昇相場

  • 移動平均線が下落: 下落相場

移動平均線

ユーロ/ドル4時間足のチャート例

上記チャート例のオレンジ色の線が移動平均線です。(色は自由に変更可能)

緑色の線(ローソク足)は、為替レートのグラフです。一番右側が最新の価格を表しており、左は過去の為替レートのグラフです。

上記チャート例では、途中からオレンジ色の移動平均線が上向きになっているのが分かります。

これは相場が上昇の傾向(上昇相場)であり、「買い」注文を出すことで利益が出る確率が高くなっていることを表しています。

反対に下落相場であれば、「売り」注文を出すことで利益が出る確率が高い傾向にあります。

移動平均線同士の交差で売買を判断する

  • ゴールデンクロス: 買いのサイン

  • デッドクロス: 売りのサイン

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が中期の移動平均線を上回る時のことを言います。

デッドクロスとは、短期の移動平均線が中期の移動平均線を下回る時のことをいいます。

移動平均線

ドル/円の日足チャート例

上記チャート例の赤丸の箇所がゴールデンクロスです。水色の線がオレンジ色の線を上回ってクロスしているのが分かります。

青丸の箇所デッドクロスで、水色の線がオレンジ色の線を下回ってクロスしています。

移動平均線の期間例

  • 短期移動平均線: 5、8、13など

  • 中期移動平均線: 21、25、75など

  • 長期移動平均線: 100、200など

移動平均線の期間の数値については特に決まりはないのですが、上記の組み合わせが一般的に使われています。

例えば、「5MA」という移動平均線であれば、過去5本の為替レートの平均値をグラフにしたものです。日足チャートの場合は、5日間の為替レート平均値となり、15分足チャートの場合は、5本分なので1時間15分間(15分×5本)の為替レート平均値となります。

ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)

ボリンジャーバンドとは、移動平均線に統計学を取り入れ、上下の線(バンド)の間で動く確率から売買を判断する指標です。

ボリンジャーバンドの確率について

  • 平均値「-1σ」~「+1σ」の間に値が収まる確率は68.26%

  • 平均値「-2σ」~「+2σ」の間に値が収まる確率は95.44%

  • 平均値「-3σ」~「+3σ」の間に値が収まる確率は99.73%

σ = シグマ

ボリンジャーバンド

ユーロ/ドル15分足チャートにボリンジャーバンドを表示した例

ボリンジャーバンドは、中心の移動平均線から外側に向かって±1σ(第1標準偏差)、±2σ(第2標準偏差)、±3σ(第3標準偏差)を表示します。

上記チャート例に示すように、±1σ・±2σ・±3σの間に為替レートが収まる確率がそれぞれ統計上決まっています。この確率を元に売買の判断をします。

確率から売買を判断

  • +2σ、+3σへ為替レートが到達したら「売り」

  • -2σ、-3σへ為替レートが到達したら「買い」

下記チャートは、青丸箇所(+2σ、+3σ)で売り。赤丸箇所(-2σ)で買い。±1σのバンド内(黄色線内)に収まったら決済。という取引例です。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドの売りポイントと買いポイント例

例えば、ボリンジャーバンドの「-2σ」や「+2σ」ラインの外側に現在値がある場合、その発生確率は4.56%しかないことになり、何れ±2σのバンド内に値が収まる事を予測できます。

ボックス相場からの拡大で売買を判断

  • ボックス相場からトレンド転換し、バンドも拡大したら売買

ボックス相場(レンジ相場)とは、ある一定範囲内で価格が行ったりきたりする相場のことです。

ボックス相場を価格が抜け、ボリンジャーバンドも拡大した際は、価格が動いた方向へ売買する判断が可能です。

ボリンジャーバンド

ボックス相場から価格が上に抜けたチャート例

上記チャート例では、ボックス相場から上に価格が抜け、ボリンジャーバンドも拡大しています。

赤丸のポイントで、買い注文を出すことで利益になる傾向があります。

エンベロープ(Envelope)

エンベロープとは、移動平均線から上下一定の幅に乖離させた線です。

移動平均線から一定の乖離の範囲内で価格が推移する傾向を利用し売買を判断する指標です。

エンベロープの線に到達で売買を判断

  • エンベロープ上限に価格が到達したら「売り」

  • エンベロープ下限に価格が到達したら「買い」

ボックス相場(レンジ相場)において、価格は移動平均線から一定の乖離内で推移する為、エンベロープが最大に活用できます。

エンベロープ上限に価格が到達した時に売り、エンベロープ下限に価格が到達した時に買い注文をする判断が可能です。

エンベロープ

エンベロープを表示したボックス相場のチャート例

上記チャート例において、エンベロープ上限に価格が到達した青丸ポイントで売り、エンベロープ下限に価格が到達した赤丸ポイントで買い注文をします。

尚、為替レートの動きと反対の注文をすることを「逆張り」。為替レートの動きに合わせて注文をすることを「順張り」と言います。

エンベロープは基本、逆張りとなります。

ボックス相場(レンジ相場)のみ有効

エンベロープは、価格が一定の範囲内で行ったり来たりするボックス相場では有効的に活用できますが、チャートが一定方向に動くトレンド相場では不利です。

ボックス相場が崩れた(ブレイクした)時は、早めに損切りを行うことが大切です。

MACD(マックディー)

MACDとは、2本の移動平均線同士の乖離グラフを表示させ、そこへ更に移動平均線(シグナル)を重ねて相場の売買を判断する指標です。

MACDは、オシレーター系のインジケーターでチャートの下に表示されます。

0数値を基準で売買を判断

MACDは、「0(ゼロ)」ラインが表示されています。2つの移動平均線が重なる時にMACDのグラフが0ラインに到達します。

  • MACDがマイナスからプラスへ転じる = ゴールデンクロス

  • MACDがプラスからマイナスへ転じる = デッドクロス

MACD

2つの移動平均線(上表示)とMACD(下表示)

上記チャートでは、25EMA(オレンジ色)と75EMA(青色)の2つの移動平均線が交わる場所の赤丸のポイントで、MACDも0(ゼロ)になっているのが分かります。

25EMAが75EMAを上回りゴールデンクロスとなり、MACDもマイナスからプラスへ転じています。

MACDの赤線のグラフは、MACDに重ねた移動平均線でシグナルと言われます。

  • MACDの棒グラフとシグナルが共にマイナスからプラスに転じた時は「買い」注文。

  • MACDの棒グラフとシグナルが共にプラスからマイナスに転じた時は「売り」注文。

0を基準にMACDがプラスに転じるかマイナスに転じるかで売買を判断できます。

MACDとシグナルが交差するタイミングで売買を判断

もう一つの売買判断の指標として、MACDとシグナルが交差するタイミングがあります。

  • MACDがシグナル線を下から上に交差した時は、ゴールデンクロスとなり「買い」

  • MACDがシグナル線を上から下に交差した時は、デッドデンクロスとなり「売り」

MACD

MACDとシグナルが交差するタイミングでの売買判断例

ゴールデンクロス後に0水準からプラスに転じれば更に価格が上昇する確率が高くなります。逆にデッドグロス後に0水準からマイナスに転じれば更に価格が下落する確率が高くなります。

このように0基準の売買判断と合わせて総合的に判断して使用するのが一般的です。

RSI(アールエスアイ)

RSIとは、買われすぎ、売られすぎを判断するためのテクニカル指標です。

一定期間(一般的に14)の変動幅の中で、価格がどれくらい上下しているのかを0%から100%までの間で図る指標です。

RSIは、オシレーター系のインジケーターでチャートの下に表示されます。

上げ幅と下げ幅の比率で売買を判断

  • 70%以上は、「買われすぎ」

  • 30%以下は、「売られすぎ」

RSI

RSI表示例(チャート下表示)

30%以下で売られすぎの為「買い」注文(青丸箇所)、70%以上で買われすぎの為「売り」注文(赤丸箇所)をすることで利益を狙う指標です。

上げ幅と下げ幅の比率で売買をする方法はボックス相場の時に有効に使えますが、どちらか一方に動くトレンド相場では判断しづらくなるのがデメリットです。

その為、他のインジケーターと合わせて売買を判断する方法が一般的です。

適切なインジケーターを表示すること

世界中のトレーダーで一般的に使われているインジケーター一覧をご紹介しましたが、通貨ペアや相場の状況によりインジケーターを使い分けることが大切です。

為替レートは毎日同じ動きをするわけではないので、その時に合ったインジケーターを使用し売買の判断に利用しましょう。

インジケーター

3つの移動平均線・エンベロープ・MACDを表示させたチャート例

いくつかのインジケーターをチャートに表示させ、直近の為替レートの動きと合うインジケーターを見つけます。

上記チャートでは、3つの移動平均線とエンベロープ、MACDを表示させています。

移動平均線が支えとなり価格が推移しており、エンベロープ内でも価格が収まっています。MACDもマイナスからプラスに転じるタイミングで価格も上昇しているのが分かります。

その時の相場に合っているインジケーターを利用し売買の判断をします。

多くのインジケーター表示は判断を迷わせる

あまり多くのインジケーターを1つのチャートに表示させても売買の判断に迷うだけですので、インジケーターは多くても4種類以下の表示が適切です。

FX初心者は複雑で多くのインジケーターを表示させるのに対し、世界でもプロのトレーダーは、シンプルで少ないインジケーターを表示させている傾向があります。

まずは練習用のデモ口座で様々なインジケーターで売買を試し、自分に合ったインジケーターを見つけてみるのも良いでしょう。